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ご 挨 拶

 第47回日本眼科手術学会学術総会の総会長を務めさせていただきます洛和会音羽病院アイセンターの栗山です。
 日本眼科手術学会は私の京都大学の大先輩である永田誠先生が起ち上げられた眼科顕微鏡手術の会を前身としています。角膜、屈折矯正、緑内障、網膜硝子体などのサブスペシャリティーが手術というものを介して横断的に網羅されるという世界的にも稀有な学会であります。今回、この唯一無二の手術学会を主催させていただくことになり大変光栄に感じています。
 今学術総会のテーマ「眼科サージャンは電気羊の夢を見るか?」についてですが、これは1968年に刊行されたフィリップKディックのS F小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原典にしています。この小説を知らなくてもこの小説を元に映画化された「ブレードランナー」は多くの方が知っていることでしょう。ディックのこの小説の根源的な思想は、「人間とは何か?」「人間とアンドロイド(A I)との違いは?」というものに集約されます。このオマージュとして総会テーマを「眼科サージャンは電気羊の夢を見るか?」としました。これが問いかけるものは、将来的に眼科手術は人間が行っているのか、それともA Iが行っているのかというものです。昨今のA Iの発展とともに診断学の分野はもちろんとして、手術の分野でもA Iの介入が加速度的に進んでおります。今後のA Iと眼科手術の関係を思索する意味で、ひいては今後の眼科手術のあり方を今一度問い直すものとしてこのテーマを考えました。
 また、このテーマと呼応するSF的デザイン(?)の総会ポスターは当院アイセンター網膜部門の部長である宮本紀子先生にイラストを描いていただきました。日本を代表するSFアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」へのオマージュとして「眼科サージャン碇ゲンドウが電気羊の夢を見ている光景」をイラストにしてほしいという私の粗っぽいリクエストに宮本先生が応えてくれたものです。「るべーる」と名付けられた電気羊の総会ゆるキャラが初登場します。エヴァに登場する独特なフォント文字は私が配置しました。読みづらいかもしれませんが楽しんでいただければ幸いです。ついでに総会長ロゴもネルフロゴへのオマージュですし、ゼーレもどこかに隠れています。
 テーマやポスターといった表象のものだけでなく、総会の中身もこれまでになく斬新で充実したものになる予定です。全国の眼科サージャンが大いなる好奇心を抱いて、この総会に集っていただき、そしてまさにセンス・オブ・ワンダーに触れていただければと祈念しております。

第47回日本眼科手術学会学術総会 総会長 栗山晶治
洛和会音羽病院アイセンター